キーワードを調べて、記事のネタを見つけて、よし書くぞー、の前に、検索結果の上位に居座っている競合サイトが何を書いているのかを把握しておくことが、SEOで成果を出すための大前提です。

本記事では、AIエージェント(Anthropic ClaudeのCowork)を使って、検索上位20サイトのコンテンツを体系的に分析し、自社サイトの改善ポイントまで一気に導き出した実例を紹介します。しかも今回は、クライアントであるダーウィン法律事務所様のご快諾により、実際の分析結果をExcelファイル(Googleスプレッドシートにインポート)ごと公開します。
ラッコキーワードのリンクはアフィリエイトリンクです。

使ったツールは3つだけ

今回の分析に使ったのは、以下の3つだけです。

  • Claudeアプリ(Cowork) ── AIエージェントとしての頭脳。当社が独自に制作したCoworkプラグインを使用
  • ClaudeのChrome拡張 ── Coworkがブラウザを操作して、検索結果やサイトの中身を読み取るための手足
  • ラッコキーワード(月990円のライトプラン) ── 検索ボリュームやキーワードデータの取得元

高額なSEO分析ツールは一切使っていません。プラグインにキーワードを投げるだけで、20サイト分の分析がExcelファイルとして出力されます。

これまでの振り返り:キーワード調査からGSC連携まで

本記事は、Coworkを使ったSEO業務の自動化シリーズの第4弾です。

第1弾では、Cowork + ラッコキーワードで、キーワードを投げるだけでExcelレポートが出力できることを確認しました。

第2弾では、その仕組みをCoworkプラグインとして配布しました。

第3弾では、GSCデータと連携して、サイト全体のキーワード戦略を設計する方法を紹介しました。

ここまでで、「どのキーワードを狙うか」は見えるようになりました。

次のステップ:「競合は何を書いているのか」を知る

キーワードが決まっても、いきなり書き始めてはいけません。検索上位に表示されているページが、どんな構成で、どんなトピックをカバーしているのかを把握しなければ、「足りない記事」を量産してしまうだけです。

従来、この作業は高額なSEOツールを用いるか、SEO担当者が1サイトずつ手作業で確認していました。上位10〜20サイトの見出しを一覧にして、共通トピックを洗い出して、自社に足りない部分を整理する──正直、地味で時間がかかる仕事です。

それを、当社が独自に制作したCoworkプラグインに丸投げしたらどうなるか。今回はその結果をお見せします。

実例:「希望退職」で検索上位20サイトを分析

分析対象とクライアント

今回分析したキーワードは「希望退職」。月間検索ボリューム1,900のキーワードです。(注:直近では2,400まで増えているようです。)

分析対象の自社サイトは、当社のSEOコンサルティングのクライアントであるダーウィン法律事務所様。現在「希望退職」で上位にランクインしていますが、さらに上位を狙い、かつコンテンツの網羅性を高めるために、上位20サイトすべてを分析しました。

ダーウィン法律事務所様のご快諾により、この分析結果のExcelファイルを、加工せずそのまま公開させていただきます。実際のExcelファイルをGoogleスプレッドシートにインポートしただけのファイルは以下のURLからご覧いただけます。ぜひご覧いただきながら記事を読んでいただければと思います。

https://docs.google.com/spreadsheets/d/1qV2Bq2eZ0dmIsJPGKPNKMr_CJ_vpWYo456ED7c38pqA/edit?usp=sharing

Excelファイルの構成:7つのシート

当社の独自プラグインにキーワード「希望退職」を投げると、CoworkがChrome拡張経由で検索結果を巡回し、ラッコキーワードからデータを取得。最終的に出力されたExcelファイルは、以下の7シートで構成されています。

  1. サマリー ── 上位20サイトの概要(サイト種別、対象読者、実用度)
  2. 見出し比較 ── 競合8サイトの見出し構造を横並びで比較
  3. 必須トピック ── 15トピックについて、各サイトのカバー状況
  4. KWカバレッジ ── 主要19キーワードの順位を競合横断で一覧化
  5. GAP分析 ── 自サイトの強みと未獲得キーワードの洗い出し
  6. 改善提案 ── 優先度付きの具体的なアクションプラン
  7. 競合スコアカード ── 16項目×7サイトの総合評価

順番に、中身を見ていきましょう。

シート①:サマリー ── まず全体像をつかむ

上位20サイトのうち、ニュースサイトや求職者向けサイトを除外し、企業のHR担当者・経営層に向けた実用的なコンテンツを持つサイトを特定しています。(ちなみに、ラッコキーワードの持っていた検索結果がちょっと古かったようです。今は直接Googleの検索結果を見るようにプラグインを改良しました。)

順位ドメインサイト種別企業向け実用度
1位works-hi.co.jpHR SaaSB+
4位darwin.law(★自サイト★)法律事務所B
9位chukidan.jp社労士ナビA
14位biz.orix.co.jpオリックスA
15位kaonavi.jpHR用語集B+
16位pasona.co.jpパソナA-
20位tokai-sr.jp社労士S

20位のtokai-sr.jpが総合評価Sで最高評価というのが興味深いポイントです。順位が上位でなくともコンテンツの質が高いサイトはある、ということで、こういったサイトこそ「コンテンツ面で参考にすべき競合」ということになります。(ただし、社労士なので直接の競合ではありませんが)

シート②:見出し比較 ── 競合が何を書いていて、何を書いていないか

8サイトの見出し構造を13トピックに分類して横並び比較しています。抜粋すると:

トピックdarwin.law(自)chukidan.jptokai-sr.jp
実施手順・進め方記載なし7ステップ詳細スケジュール
割増退職金・条件記載なし12-24ヶ月分の相場4つの算出方法
面談実務記載なし記載なし2名体制・30分・録音推奨
法的リスク注意点として記載あり記載なし整理解雇4要件の詳細

ダーウィン法律事務所様のページは定義・メリデメ・法的観点では強い一方、実施手順や割増退職金の具体的な解説が手薄であることが、一目でわかります。

シート③:必須トピック ── カバー率で「穴」が見える

15のトピックについて、11サイトのカバー状況を集計しています。

トピックカバー率darwin.law
希望退職の定義・概要90%
メリット(企業/従業員)81%
実施手順・進め方36%×
割増退職金の扱い27%
面談実務・退職強要回避18%×

カバー率が低い=競合もあまり書いていないということです。つまり、そこを書けば差別化できる。面談実務(18%)や割増退職金(27%)は、書いているサイトが少ないからこそ、法律事務所が書けば大きなアドバンテージになります。

シート④⑤:KWカバレッジとGAP分析

KWカバレッジシートでは、「早期退職」(月間12,100)や「懲戒解雇」(月間14,800)といった大型キーワードで、darwin.lawがランクインできていないことが可視化されています。

GAP分析シートでは、これを自サイトの強みと未獲得GAPに整理し、優先度を付けています。

分析カテゴリキーワード月間Vol優先度
強み希望退職とは7202位を維持
強み希望退職 リストラ 違い170ニッチで2位
コンテンツGAP実施手順・進め方590★★★
KW GAP早期退職12,100★★★
コンテンツGAP割増退職金の相場480★★☆
コンテンツGAP面談実務260★★☆
KW GAP黒字リストラ720★★☆

★★★の最優先施策は2つ。「実施手順」のセクション新設と、「早期退職」の独立ページ化です。

シート⑥:改善提案 ── 具体的に何をすべきか

GAP分析を踏まえて、優先度順にアクションプランが整理されています。

優先度施策期待効果想定工数
★★★「実施手順」セクション新設「希望退職 手順」でランクイン5-8時間
★★★「早期退職」独立ページ新規作成Vol 12,100の市場を開拓4-6時間
★★☆割増退職金の相場・算出方法追加CFO/経理向けにも訴求3-5時間
★★☆面談注意点の追加法律事務所の独自性発揮2-4時間
★★☆2024-2025年トレンド分析追加「黒字リストラ」でランクイン3-5時間
★☆☆内部リンク強化サイト回遊性・PageRank向上1-2時間

「何をすべきか」だけでなく「なぜそうすべきか」「どのくらいかかるか」まで一通り出力されているので、このままクライアントへの提案資料として使えるレベルです。

シート⑦:競合スコアカード ── 総合力の可視化

最後に、16の評価項目で7サイトをスコアリングしています。

darwin.lawの総合評価はB。法的リスクや退職勧奨との違いでは◎ですが、実施手順・面談実務・テンプレートでは×。法律事務所としての専門性を活かしつつ、実務コンテンツを補強すれば、Aランク以上を狙えるという戦略が見えてきます。

この分析、何が「AIならでは」なのか

正直に言えば、この分析の個々の作業は、人間でもできます。上位サイトを1つずつ開いて、見出しを書き出して、Excelに整理して──。ただ、20サイトを対象にこれをやると、丸1日〜2日はかかります。

AIエージェントであれば、当社が独自制作したCoworkプラグインにキーワードと既存のURL(無くても大丈夫です)を投げるだけで、Chrome拡張経由でのデータ収集・分類・比較・スコアリング・改善提案の作成まで、人間の操作なしで一気に完了します。しかも、トピックの分類やカバー率の集計は、人間よりもむしろ網羅的で抜け漏れが少ない。必要なのはClaudeアプリ(Cowork)、ClaudeのChrome拡張、月990円〜のラッコキーワードだけ。高額なSEO分析ツールは不要です。

当社がこの手法をクライアント様に提供する際は、AIの出力をそのまま渡すのではなく当然のことながら私の経験をもとにレビュー・補正を行った上で納品しています。AIの速度と人間の判断力、両方を活かすのが当社のスタンスです。

AI×SEOの仕組みづくりは当社にご相談ください

今回ご紹介したような競合コンテンツ分析は、当社のSEOコンサルティングの一環として提供しています。

  • 競合コンテンツ分析:検索上位サイトの構造分析・GAP分析・改善提案
  • GSC連携キーワード調査:自社サイトに特化したキーワード戦略の設計
  • AIエージェントの仕組み化:プラグイン化・プロンプト設計・ワークフロー構築
  • ローカルLLM導入支援:機密・コスト要件がある企業向け

「高額なSEOツールを契約しているけど、使いこなせていない」「少人数のチームでSEOを回したい」──そんな企業の方、お気軽にご相談ください。

宣伝:SEOの強さの秘訣はAI Visibility Guard (AIVG)プラグイン

ダーウィン法律事務所様のサイトでは、当社開発のAI検索最適化WordPressプラグイン「AI Visibility Guard(AIVG)」をご導入いただいています。

当社はサイト設計段階から監修を行い、検索に強い情報設計・構造を整備してきました。そのうえで、所属弁護士の皆様が執筆されたコンテンツに対し、AIVGがページ内容に基づくFAQの自動生成(構造化データ対応)や、サイト全体に必要な構造化データの追加を行っています。
これにより、AI検索(AI Overviews、ChatGPT等)だけでなく、従来のGoogle検索においても、情報の理解・評価が進みやすい状態を作っています。

WordPressでメディア運営をしているものの検索エンジンから評価されづらい、またはAI検索への最適化も進めたいというサイトオーナーの方は、月額4,980円からの「AI Visibility Guard (AIVG) 」プラグインの導入をご検討ください。

よくある質問

Q.この記事で使用したツールは何ですか?
A.Claude Coworkアプリ、CoworkのChrome拡張、ラッコキーワード(ライトプラン)の3つだけです。