ChatGPT Plus(有料版:GPT-4)とSEO向けの無料ツールを組み合わせて、上位表示されているサイトの特徴や検索意図を調べ、上位サイトには無いトピックを付加することで、より検索意図を満たすコンテンツを作る方法を伝授します。
ビッツァー式上位サイト分析
弊社ではChatGPTを最大限活用してコンテンツマーケティングを行う手法を、クライアント企業やセミナー受講企業に共有させていただきましたが、特にご好評をいただいたのが、弊社で「ビッツァー式上位サイト分析」と呼んでいる、上位サイトを分析してより良いコンテンツを作るアイデアを得る部分でしたので、ここで無料公開させていただきます。
是非、実際にChatGPT Plusを用いて試していただければと思います。(ChatGPT無料版でも、CSVの内容をテキストでプロンプトにコピペする形で、再現することは可能です。ただし精度は落ちます。その際、抽出する見出しを限定するなど、CSVのデータ量を減らす工夫が必要です。)
上位サイトの見出しを抽出
ChatGPT Plusに上位サイトの全部のコンテンツを直接見てもらうことは現時点では技術的に難しいので、以下のラッコ株式会社さんのラッコキーワード「見出し抽出ツール」というツールを用いて、上位サイトのタイトルやmeta description、見出しを抽出したCSVファイルを作成します。
検索上位サイト調査・見出し抽出ツール(SEO競合調査) | ラッコキーワード
試しに「メリノウール 長所」というキーワードを入力して、見出しを抽出します。
上の画像の様に、結果の右上に [CSVダウンロード] というボタンが表示されますので、こちらをクリックしますと、「シンプル版」か「詳細版」かを聞かれますので、「シンプル版」をダウンロードします。
このサービスの出力するCSVのままですと、ChatGPTがそのまま読み込めないため、テキストエディタを用いて、テキストエンコーディングを「UTF-8」に変更し、上書き保存します。(テキストエディタとして、MacではCot Editor、WindowsではTeraPadなどが挙げられますが、テキストエンコーディングが変更できれば、使い慣れたものをお使いいただいて大丈夫です。)
ChatGPTで上位サイトを分析
ChatGPT Plus(有料版)で、GPT-4を選び、さらに左ナビに現れる「Explore」メニューより、Data Analysis モードを選びます。
上でテキストエンコーディングをUTF-8に変換したCSVを、ChatGPTにアップロードし、以下のプロンプトを投げます。
#競合サイトの分析
アップロードしたCSVは、検索キーワード「メリノウール 長所」でのGoogleの検索結果、上位1位から20位までのデータです。
各行にはtitle、meta description、URL、見出しの数、文字数、Hタグの内容が記されています。Hタグの内容(title)は見出しの数だけ繰り返されます。
各サイトの情報は列方向に格納されており、左から1位〜20位の順に並んでいます。中には空欄のカラムもあります。
それぞれのページの検索意図や内容を理解して、どのようなページが上位表示されやすいか、扱うテーマ、特徴を日本語で教えてください。
プロンプトを投げると、データの読み込みで何度かエラーを返し(ChatGPT側が勝手に)試行錯誤しながらも、上位表示されやすいサイトの特徴を教えてくれます。
回答に満足できなければ、「再生成」を押すことで、異なる結果を得ることも可能です。
ここでは、以下の様な回答を得ることができました。
CSVファイルのデータは次のように構成されています:
– 各列は異なるウェブサイトを表しており、左から右に1位から20位の順番で並んでいます。
– 各行は以下の情報を含んでいます:
1. `title`: 各サイトのタイトル
2. `description`: メタディスクリプション
3. `url`: サイトのURL
4. `headline count`: 見出しの数
5. `word count`: ページの文字数
6. 以降の行: `headline` は各ページのHタグ(見出し)の内容
次に、これらのデータを分析して、上位に表示されているページの特徴や検索意図を理解し、どのようなページが上位表示されやすいか、扱うテーマなどを日本語で説明します。まずは、タイトル、メタディスクリプション、見出し数、文字数の平均値などの基本的な分析から始めます。
上位に表示されるページの基本的な特徴は次のとおりです:
– 見出し数(headline count):
– 平均: 約20.85
– 標準偏差: 約11.81
– 最小値: 2
– 最大値: 53
– 中央値: 20
– 文字数(word count):
– 平均: 約4359.4文字
– 標準偏差: 約1887.84文字
– 最小値: 1737文字
– 最大値: 8764文字
– 中央値: 4128文字
これらのデータから、上位に表示されるページは一般的に内容が充実していることがわかります。見出し数が多いことから、情報が整理されており、読者が内容を把握しやすい構造になっている可能性があります。また、文字数も平均して4000文字以上であり、詳細な情報を提供していることが推測されます。
次に、これらのページのタイトルとメタディスクリプションの内容を分析して、どのようなトピックやアプローチが採用されているかを見てみましょう。これには、各サイトのタイトルとメタディスクリプションを確認し、共通するキーワードやテーマを特定します。
タイトルとメタディスクリプションからの初期的な観察は次のとおりです:
### タイトルの分析
– 多くのタイトルは、「メリノウール」というキーワードを前面に出しています。
– タイトルは比較的具体的な内容を示唆しており、「メリノウールとウールの違い」や「メリットとデメリット」に焦点を当てていることが多いです。
– いくつかのタイトルは、アウトドア愛好家や特定の利用者(例えば、サイクリスト)に焦点を当てていることも示唆しています。
### メタディスクリプションの分析
– メタディスクリプションは、タイトルで紹介されたテーマをさらに詳しく説明しています。
– サイトによっては、特定の製品や使用例、または「メリノウールの優れた特性」などに言及しています。
次に、各ページの見出し内容を分析して、上位表示されるページの構造やトピックの詳細をより深く理解しましょう。これには、各ページの見出しの内容を確認し、共通するトピックやスタイルを特定します。
見出しの内容から以下の傾向が読み取れます:
### 共通するトピック
1. メリノウールの基本的な説明:ほとんどのページで「メリノウールとは?」という基本的な情報から始まっています。
2. メリットとデメリット:「メリノウールのメリット」と「デメリット」についての詳細な説明があり、読者にバランスの取れた情報を提供しています。
3. 比較情報:「他素材との違い」や「ウールとの違い」など、メリノウールを他の素材と比較しているケースが見られます。
4. 特定の使用例やターゲット層への言及:例えばアウトドア愛好家やサイクリストに焦点を当てているページがあります。
5. 製品情報やお手入れ方法:いくつかのページでは、メリノウール製品の選び方やお手入れ方法についても触れています。
### スタイルと構造
– 多くのページで、見出しは情報を整理し、読みやすくしています。見出しは通常、大きなトピック(例:「メリノウールの特徴」)から小さなサブトピック(例:「メリノウールのメリット」)へと細分化されています。
– 記事は教育的または情報提供的なスタイルで書かれており、読者がメリノウールに関する知識を深めることができるように設計されています。
### 総括
上位に表示されるページは、メリノウールに関する豊富な情報を提供し、読者に役立つ知識や具体的なガイダンスを提供しています。これらのページは、メリノウールの基本的な特性から、具体的な使用例や比較情報まで、幅広いトピックをカバーしています。また、情報はよく整理され、読みやすい形式で提示されています。これにより、検索エンジンによって質の高いコンテンツとして評価され、検索結果の上位に表示される傾向にあります。
作成するページのヒントを得る
次に、チャットの続きで以下のプロンプトを投げることで、作るべきページのヒントを探ります。
新たにページを作るとしたら、どのような内容が必須項目か、あるいはどのようなテーマやどのような項目を加えれば、これらのページよりもより検索意図を満足できるページを作れるか教えてください。
このプロンプトにより、以下の様な回答を得ることができました。
新たにメリノウールに関するページを作成する際に、現在の上位表示ページから学ぶことができる重要な要素は次の通りです:
### 必須項目
1. 基本情報:メリノウールとは何か、その特性や利点。
2. 比較情報:他のウールや素材との比較。
3. メリットとデメリット:メリノウールの利点と欠点。
4. 使用例:メリノウールを使用する様々なシーンや製品例。
5. お手入れ方法:メリノウール製品の維持とお手入れのヒント。
### 追加できるテーマや項目
1. ターゲットに合わせたコンテンツ:特定のターゲット層(例:トレッキング愛好家、旅行者、日常着用者)に特化したコンテンツを作成します。
2. 科学的な解説:メリノウールの繊維構造や温度調節機能など、より技術的な側面を詳しく解説します。
3. エコフレンドリーとサステナビリティ:メリノウールの環境への影響や持続可能性に関する情報。
4. 製品レビューと比較:市場に出回っている様々なメリノウール製品のレビューと比較。
5. ユーザー体験談:メリノウール製品の実際の使用者からの体験談や評価。
6. FAQセクション:よくある質問への回答を提供します。
7. ビジュアルコンテンツ:高品質な写真やインフォグラフィックを用いて、読み物としての魅力を高めます。
8. 関連するライフスタイルコンテンツ:メリノウールを生活の中でどのように活用できるか、ライフスタイルと結びつけたコンテンツ。
### 検索意図をより満たすためのアプローチ
– ユーザーの疑問やニーズに答える:ユーザーがメリノウールに関して持っている具体的な疑問やニーズに直接応える内容を提供します。
– インタラクティブな要素:クイズやアンケートなど、ユーザーが参加できるインタラクティブな要素を追加することで、エンゲージメントを高めます。
– 最新のトレンドや研究に基づく情報:最新のトレンドや科学的な研究に基づいた情報を提供し、信頼性と関連性を高めます。
これらの要素を組み合わせることで、ユーザーの検索意図を深く理解し、既存のページよりも充実した内容を提供することが可能です。
上位サイトと差別化できる部分を見つける
以下の様なプロンプトを続けて投げることで、更なるヒントを得ることも可能です。ただし、必ずしも正解という訳では無いので、最終的には人間が判断する必要があります。
上位サイトにはないものの、求められていると思われるトピックがあれば教えてください。
ここでは、以下の様な回答を得ることができました。
上位に表示されているサイトにはないが、潜在的に求められていると思われるトピックには以下のようなものが考えられます:
1. 地域別のメリノウールガイド:
– 特定の地域や国で生産されたメリノウールの特徴や品質の違いについて解説する。例えば、オーストラリア産メリノウールとニュージーランド産メリノウールの比較など。
2. メリノウールの歴史と文化的背景:
– メリノウールがどのようにして現代のファッションやアウトドア産業において重要な素材になったのか、その歴史的な発展を探る。
3. メリノウールの倫理的・環境的調達:
– サステナビリティや動物福祉の観点から、メリノウールの生産過程を詳しく解説する。エコフレンドリーな生産方法や公正取引に関する情報。
4. DIYやハンドクラフトのためのメリノウール:
– メリノウールを使った手芸やDIYプロジェクトのアイデア。例えば、メリノウールでの編み物やフェルト作りなど。
5. メリノウールの科学的な研究:
– メリノウールの物理的・化学的特性に関する最新の科学的研究や発見。
6. 子供や敏感肌用のメリノウール製品:
– 敏感肌やアレルギーを持つ人、特に子供向けのメリノウール製品に関する情報。肌に優しいメリノウールの製品選びや利点に焦点を当てる。
7. メリノウールと健康・ウェルネス:
– メリノウールが提供する健康上の利点、例えば睡眠の質の向上やアレルギー軽減などに関する情報。
8. メリノウールの未来とイノベーション:
– メリノウールの新しい使用法や、未来のファッション、テクノロジーにおけるメリノウールの役割について探る。
これらのトピックは、メリノウールに関する既存の情報に新たな視点や深みを加える可能性があり、読者の関心を引き、価値ある情報源となるでしょう。
また、これらのアイデアを元に、より容易に記事を書けるように、以下の様なプロンプトを投げかけてみることもできます。
例として、上位表示できそうなタイトル、見出し構造を作成してください。
この結果については、ぜひご自身で試してみてください。
作成中のコンテンツと、上位サイトとを比較してフィードバックを得る
既に作った、あるいは作り途中のコンテンツがある場合には、チャットに続ける形で、以下の様なプロンプトを投げると、今まで分析した上位サイトと比較して、作成中のコンテンツにおいて不足している(とChatGPTが推測する)部分を教えてくれます。
上位サイトと比較して、以下の内容において、不足している部分があれば教えてください。
(ここに作成した、あるいは作成中のコンテンツをテキストや見出し構造、HTMLなどの形で続けてください。)
なお、既にWEB上にあがっているページからテキストを抽出するには、ツールタロウさんのWEBサイトHTMLテキスト取得のようなツールを使うのも便利です。その際「タグごとに改行」で抽出して、手動で無駄な部分を省いたテキストを貼り付けると良いかもしれません。
このように、ChatGPT plusを用いて、検索キーワードに対して上位表示されるサイトから検索意図を読み取り、そして上位サイトが持たない内容も加えてコンテンツを作ることが可能になります。
ぜひ、この「ビッツァー式上位サイト分析」をコンテンツマーケティングやオウンドメディアの作成に役立てていただければと思います。
生成AI導入のお手伝いをしています。
弊社では、ChatGPTを始めとする生成AIを用いて、いかにして既存のワークフローを改善するか、プロンプトエンジニアリングのみでなく、どの部分を生成AIで効率化するか、どのデータが活用できそうか、といった生成AIの導入についてのコンサルティングを行っています。
SEOコンサルティングにおいても、上記の手法以外にも、SEOやコンテンツマーケティングにおいて、積極的に生成AIを活用する様々な方法を伝授しております。
また、SEOやコンテンツマーケティングの分野だけでなく、生成AIを用いた既存ソフトウェアの改善や、既存コンテンツのマネタイズ手法を生成AIを用いて確立するといったこともコンサルティングした事例がありますので、生成AIの活用方法で悩んでいる企業様、生成AIを用いて競合他社よりも一歩進んだことを行いたい企業様など、積極的な生成AIの活用を検討されてらっしゃる企業様は、どんなことでも、お問い合わせフォームよりお気軽にお問い合わせいただければと思います。